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前立腺がんとは

前立腺がん

前立腺は男性にだけあり、精液の一部をつくる臓器です。前立腺は、恥骨(骨盤を形成する骨のひとつで、下腹部に触れることができます)の裏側に位置し、栗の実のような形をしています。この前立腺にがんが発生する病気が前立腺がんです。

症状

他のがんと同じように早期の前立腺がんに特有の症状はありません。あるとしてもその多くは前立腺肥大症に伴う症状です。具体的には排尿困難(尿が出にくい)、頻尿(尿の回数が多い)、残尿感(排尿後、尿が出切らないで残った感じがする)、夜間多尿、尿意切迫(尿意を感じるとトイレに行くまでに排尿を我慢できない状態)、下腹部不快感などです。このような症状があり、たまたま病院を受診した際に前立腺がんの検診が併せて施行され、検査の結果、前立腺がんが発見されることがほとんどです。また前立腺がんが進行しても転移がない場合の症状は前立腺肥大症と大差はありません。

前立腺がんは進行すると骨に転移しやすいがんです。前立腺自体の症状はなく、たまたま腰痛などで骨の検査をうけ、前立腺がんが発見されることもあります。また肺転移によって発見されることもあります。

診断

PSA検査

前立腺がんの診断に関して、最も重要なのは前立腺特異抗原(PSAピーエスエー)とよばれる腫瘍マーカーの採血です。PSAはとても敏感な腫瘍マーカーであり、基本的に前立腺の異常のみを検知します。PSA値の測定は前立腺がんの早期発見に必須の項目です。ただPSA値が異常であれば、そのすべてががんになるというわけではありませんし、逆にPSA値が正常の場合でも前立腺がんが発生していないということにもなりません。あくまで、前立腺がんを発見するきっかけとなるひとつの指標です。PSAの測定法にはさまざまありますが、よく使われているタンデムR法では4~10ng/mlがいわゆる「グレーゾーン」といわれており、その場合には25~30%にがんが発見されます。ただし4ng/ml以下でも前立腺がんが発見されることもあります。PSA値が10ng/mlを超える場合には50~80%にがんが発見されます。100ng/mlを超える場合には前立腺がんが強く疑われ、さらには転移も疑われます。

がんのリスク要因・予防要因

前立腺がんの確立したリスク要因は、年齢(高齢者)、人種(黒人)、前立腺がんの家族歴とされています。動物実験などから、アンドロゲンが前立腺がんの発生に重要な役割を果たしているのではないかと考えられてきましたが、現在のところ、疫学研究ではこの仮説に一致する結果は得られていません。最近では、IGF-1によってリスクが高くなる可能性が指摘されています。
食事、栄養素に関しても、現状では確立された要因はありませんが、リスク要因として脂質、乳製品、カルシウムが、予防要因として野菜、果物、カロテノイド(中でもリコペン)、ビタミンE、セレン、ビタミンD、イソフラボン等が候補にあげられています。喫煙、体格、アルコール、身体活動についても、関連の可能性が探られています。

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