公開日 2012年9月3日
修復整備を終えた 市指定史跡『中村家墓所』
公益財団法人朝日新聞文化財団助成金を活用
三好市池田町の桂林寺にある「中村家墓所」は、池田城と共に発展した池田の歴史を今に伝える貴重な三好市の文化財(市指定史跡)で、建立から300年を超える古い五輪塔や記念碑、石灯籠などの石造物からなります。石造物全体が長年コケ類や地衣類に覆われ、風化等による亀裂や欠損が深刻となり、貴重な文化財が危機的な状況にありました。このため、平成23年度及び平成24年度の2ヵ年において、「公益財団法人 朝日新聞文化財団」の助成金を活用した修復整備にとりかかっていましたが、このほど完成を迎えました。
修復整備は、特に傷みが進んでいた中村右近大夫重勝(なかむらうこんだゆうしげかつ)の墓石、中村若狭守可近(なかむらわかさのかみよりちか)の五輪塔、中村美作近照(なかむらみまさかちかてる)の墓石を中心に、これら中村家三代に関わる記念碑や石灯籠などを専門家の指導を受けながら、これまで全国各地で墓石の修復整備に携わった専門技術者の手により、じっくりと時間をかけ慎重に修復が行われました。
今回の修復整備により、今までコケや地衣類で覆われていた墓石などが本来の姿を現しており、文化財としての価値がさらに高まりました。さらにこの度の修復整備により、文化財指定となっている石造物(14基)すべてに保護処理が行われたことで、より末永く現状の姿で保存できることとなりました。
【写真説明】
(1)コケや地衣類に長年覆われていた中村家墓所
(2)修復整備によって本来の姿を現すことができた中村家墓所
(3)専門技術者によって慎重に修復が行われる
(4)修復前の中村若狭守可近の五輪塔
(5)第1期整備(23年度)により、き損や亀裂がより深刻な状況がわかる
(6)当初の亀裂がほぼ無くなり本来の姿にもどった五輪塔
(7)コケや地衣類に覆われた修復前の中村右近大夫重勝の記念碑
(8)第1期整備により、亀裂やき損が相当進行している状況がわかる
(9)当初の亀裂がほぼ無くなり本来の姿にもどった記念碑