○三好市森づくり条例

令和元年6月24日

条例第1号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第9条)

第2章 森づくりを推進するための基本的事項(第10条―第15条)

第3章 森づくり委員会(第16条―第19条)

第4章 雑則(第20条)

附則

三好市の森林は、私たちの命の源である清らかな水を貯え、大気を浄化し、自然災害から市民を守り、多様な生態系を支えるなど、私たちの暮らしにかけがえのない基盤であり、市民共有の財産である。

また、地球温暖化防止、循環型社会の形成などの環境問題に対する意識の高まりや、土砂流出の防止や洪水軽減などの公益的機能の発揮など、森林が担う重要な役割が再認識されてきている。

しかし、三好市の森林は、山間地域の過疎化、高齢化等の進行や、林産物の供給などを通じて森林を支えてきた林業及び木材関連産業の低迷などにより、放置され、荒廃が進むなどの事態が生じてきている。

このような中で、森からの恵みや森の働きを再認識するとともに、森林の有する多面的機能の持続的な発揮を重視した新たな森づくりの展開を図る必要がある。

私たちは、長期的な展望に立った適切な役割分担と協働による新たな森づくりに取組んでいくとともに、豊かな緑に恵まれた郷土を次の世代に引き継いでいくことを決意し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、森づくりについて基本理念を定め、市の責務並びに森林組合、森林所有者、市民等及び事業者の役割を明らかにするとともに、森づくりに関する施策の基本となる事項を定めることにより、森づくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって本市の豊かな森林の保全及び創造に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 森林 市内に存する森林法(昭和26年法律第249号)第2条第1項に規定する森林をいう。

(2) 多面的機能 土砂流出及び山地崩壊の防止、水資源の貯留等の水源のかん養、自然環境の保全、地球温暖化の防止、保健休養、木材その他の林産物の生産及び供給その他森林の有する多面にわたる機能をいう。

(3) 森づくり 森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるため、森林を守り育てるとともに活用することをいう。

(4) 森林組合 市内に所在する森林組合法(昭和53年法律第36号)に規定する組合をいう。

(5) 森林所有者 森林の土地を所有する者又は森林の土地にある木竹を所有し、若しくは育成することができる者(国、県その他これらが設立した法人を除く。)をいう。

(6) 市民等 市内に居住し、通勤し、又は通学する個人及び市内において事業若しくは活動を行う個人又は法人その他の団体をいう。

(7) 事業者 市内において、森林の施業並びに木材その他の林産物の生産、加工及び流通の事業を行う者をいう。

(8) 三好市産材 三好市内で生産された木材及びその木材を使い製材又は加工された木材をいう。

(基本理念)

第3条 森づくりは、森林が市民共有の財産であることを認識し、将来にわたって森林のもたらす恵みを享受することができるよう、長期的な展望を持ち、地域の特性に応じて推進しなければならない。

2 森づくりは、森林の有する多面的機能についての理解を深め、市、森林組合、森林所有者、市民等及び事業者の適切な役割分担並びに相互の連携及び協力のもとに、継続して推進しなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、森づくりに関する総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施するものとする。

(森林所有者の役割)

第5条 森林所有者は、基本理念にのっとり、森づくりの重要性を深く認識し、自ら所有し、又は育成する森林について、適正な整備及び保全を推進し、森林の有する多面的機能が十分発揮されるよう努めるものとする。

(森林組合の役割)

第6条 森林組合は、基本理念にのっとり、森林管理の中核的な担い手として、木材その他の林産物の生産、供給等を通じて森づくりに積極的に取組むよう努めるものとする。

(市民等の役割)

第7条 市民等は、基本理念にのっとり、森づくりの重要性を認識し、森づくりに関する活動に積極的に参加するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第8条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業の実施に当たっては、森林の有する多面的機能の持続的な発揮に支障を及ぼさないよう配慮するものとする。

(市の施策への協力)

第9条 森林組合、森林所有者、市民等及び事業者は、市が実施する森づくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。

第2章 森づくりを推進するための基本的事項

(基本計画)

第10条 市長は、森づくりを総合的かつ計画的に推進するため、三好市森づくり基本計画(以下「基本計画」という。)を定めるものとする。

2 基本計画は、次の各号に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 森づくりに関する目標及び基本方針

(2) 森づくりに関する施策の基本となる事項

(3) 森づくりを推進するための体制の整備に関する事項

(4) 前3号に掲げるもののほか、森づくりを総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は、基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表するものとする。

4 前項の規定は、基本計画の変更について準用する。

(森林の適正な整備及び保全)

第11条 市は、森林の有する多面的機能が持続的に発揮されるよう、森林の適正な整備及び保全を図るため必要な措置を講ずるものとする。

(林業及び木材関連産業の振興)

第12条 市は、森林の整備及び活用を促進するため、森林施業の効率化、林業及び木材関連産業の経営基盤の強化その他必要な施策を実施するものとする。

(三好市産材の需要拡大)

第13条 市は、三好市産材の需要拡大を図るため、三好市産材に関する情報の提供、公共事業における利用の推進等必要な措置を講ずるものとする。

(協働による森づくり)

第14条 市は、市民等との協働による森づくりを推進するため、市民等に対する森づくりに関する活動の場の提供、情報の提供その他必要な措置を講ずるものとする。

(森林環境教育及び木育の推進)

第15条 市は、市民等が森づくりについて理解及び関心を深めることができるよう、森林環境教育及び木育の推進を図るものとする。

第3章 森づくり委員会

(設置及び所掌事務)

第16条 森づくりを推進するため、三好市森づくり委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会は、基本計画の策定に関し、市長の諮問に応じて審議し、その結果を市長に答申するとともに、森づくりに関する事項の調査、審議及び助言を行う。

(組織)

第17条 委員会は、委員10人以内をもって組織し、次の各号に掲げる者のうちから市長が委嘱する。

(1) 公募による市民

(2) 学識経験を有する者

(3) 関係機関の代表者

(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が特に必要と認める者

(任期)

第18条 委員の任期は2年とし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を防げない。

(運営)

第19条 前3条に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第4章 雑則

(委任)

第20条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

三好市森づくり条例

令和元年6月24日 条例第1号

(令和元年6月24日施行)